URBAN FOLKLORE   

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それからあっという間に時間が経って、夏休みも目前となった。
一度病院に行ったけれど、少し良くなっていると言われたので嬉しかった。
結構腕が上がるようになったことを伝えると、まだリハビリ以外で無理してはいけないとのことだった。

「あれ、仁花ちゃんどこに行ってたの?」

「影山くんの自主練の手伝いをしてたよ!」

「影山くんも自主練してるだ・・・。」

「あっうん、なんかこうペットボトルをたくさん置いてねー。」

日向くんが来てないと思ったら影山くんも別の練習してるのか・・・。

「本当に、このチームって・・・。」

「ん?!何か言った?ちゃん。」

「ううん、な、なんでもないよ。」

あの喧嘩の日から日向くんと影山くんは殆ど会話していない。
先輩達は監督が取り持ってくれてるから心配ないと言っていたけど、
当事者だけでなく、全員が全員を信じていなければここまで士気は上がらない。

烏野に来て、マネージャーになってよかった。
改めてそう思った。

―――――

「やべー!やべー!夜中に出発するってドキドキする!!」

「前回お前ら遅刻だったもんな・・・。」

「単細胞はいいよね・・・どこでも寝られてさ・・・。」

合宿前日、バスに乗るために深夜0時に学校に集合した。
日向君みたいに口には出さないけど、私もかなりワクワクしていた。
なんだか遠足みたいだ。
加えてこのメンバーで、深夜に出発。
ワクワクしないわけなかった。

「何ワクワクしてるの。」

「えっあ、わ、わかる?」

「わかりやすすぎ。」

月島だ。
自分では抑えてるつもりだったけどハタから見たらモロバレらしい。
ちょっと恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じる。

ちゃんもワクワクしてる?!」

「仁花ちゃんも?」

「うん~。深夜の遠足みたいな感じでワクワクするよー。
バスの中で寝られるかな・・・。」

「わ、わたしも寝れないかも・・・。」

「着いたらすぐ作業入ると思うから頑張って寝よ。」

「「は、はい!」」

そうか・・・寝れなかったら絶対辛い!
清水先輩に言われて頑張って寝ようと思った。

まぁ結局暗くて景色もなにもないのですぐに寝てしまったのだけど。