URBAN FOLKLORE   

01

朝。


目が覚めると部屋の風景が見える訳ではなく、私の視界を覆っているものがあった。

同時に体を動かそうとしても上手く動かない。
特に上半身。

少し寝ぼけながら視界を遮っているものが何なのかと手探りすると、上半身を何かが締め付ける。

もうここまでくれば状況は分かる。

誰かに抱き着かれている。

これで何度目なのか、"誰か"ははっきりしている。

「ちょ…!白竜、離して!!」

「もう少し…。」

「白竜はもう少し寝ててもいいからっ手を離して!」

私は白竜の胸を押したり叩いたりして見るが、ゴッドエデンで鍛え抜かれた白竜はびくともしない。
それどころか足で攻撃した私を封じる様に、自分の足を私の足に絡めて動かないようにされてしまった。

もう一人では為す術がない。
もう何度目か分からないが、他のルームメイトを呼ぶしかない。

「せ、青銅!青銅ー!!」

しばらくすると、私の部屋の扉が開いて青銅が顔を出した。
大声を出すと、流石の白竜も唸り声をだして腕の力を強くする。

「ぐぇ…。」

「…またか。」

「ごめん青銅…お願いします…。」

私が消えそうな声でそうお願いすると、青銅は手に持っている目覚まし時計をいじりはじめた。
今時アナログの目覚まし時計だ。


Σジリリリリリリリリリリリ


「ハッ!」


目覚まし時計が鳴ると同時に白竜が飛び起きた。

「おはよう白竜」

「ああ青銅おはよう…何故ここに?」

「こっちの台詞だ。白竜お前ゴッドエデンの生活週間が抜けてるんだか抜けてないんだか分からないな。」



――そう…フィフスセクターの崩壊後、もちろんゴッドエデンも解放された。

子供達を教育する場として、あの厳しすぎる訓練から地獄と呼ばれた場所だが、フィフスセクターには身寄りのない子も多く、その子達がゴッドエデンに集中する傾向があった。


私と白竜、青銅はその1人だ。
確かにゴッドエデンでは地獄と呼ばれるに相応しい特訓が行われていたが、そういう意味では良く機能していた場所なのではないかと思う。


私はゴッドエデンで白竜や青銅、他の皆に会えたこと嬉しく思っている。


で、その厳しいゴッドエデンでは孤島なので、もちろん全寮制。
朝練に出るためには自分で早く起きる必要がある。


そこでこの白竜がどうやって早起きしていたかと言うと、何年も使い続けている目覚まし時計の音で、反射的に起きることができるとのことだ。

目覚まし時計のセットも忘れることはない。

それ以外の音や誰かが起こしたりしても中々起きることはない。


なのにどうして目覚まし時計を置いて私の部屋で寝てるのか…。



白竜はアホなんだ。



――――――――――
続くー
なんか固い感じになってしまった…。