URBAN FOLKLORE   

06


※青銅視点


白竜は自分の部屋に閉じこもっていた。
ゴッドエデンにいたときも何度かあったことだ。
だいたいこういう時、白竜は考えごとをしている。
白竜に限って機嫌が悪いだけで態度を変えることはありえない。
物事をあまり考えない素直な所が白竜のいい所であり、あまり考えずとも何でもそつなくこなす所が白竜の才能なんだ。

だから白竜が周りのことをシャットアウトして話かけるなオーラを出し、機嫌が悪いように見える時は、考え事の答えを探している時だ。


俺は白竜の部屋をノックした。


「白竜、俺だけど。」


「…青銅か、入るといい。」


部屋に入ると白竜はベッドで仰向けになっていた体を起こした。


「寝てたのか?」

「いや、寝てない。考えごとだ。」

「それなら良かった。話は聞いた。白竜も変な所で頑なだよな。」

「そうか?」

「そうさ、なんでベッドには潜り込めるのに告白はできないんだよ。」

「…そうだな、俺は究極だが…もしに断られた時、自分がどれだけ落ち込むか分からない。究極の俺だが、これだけは怖いんだ。同居を始めて距離が縮まってきたし、も少なからず俺を意識してるだろうと思ったんだ。だけど今朝、その期待が否定された。ショックだった。」


「あー確かにが白竜のこと好きだと思うかって聞かれたら困るな。」

「傷つく。」

「あ、ごめん。でも嫌いかって聞かれたらそれはないって言えるぞ。さっきも白竜のこと凄く心配してた。」


俺がフォローを入れると「そうか。」と一言呟いた。顔を見ると頬を染めてニヤニヤしている。


「…白竜ってそんなにのこと好きだったのか。」
「ん?まぁな。ゴッドエデンに居たときから気になってはいたんだが…あそにでは恋愛にかまける暇はなかったからな。それに女子が少なかったからそのせいかもしれないと思っていた。ゴッドエデンを出れば、より素敵な子がいると思っていたんだ。」

「へぇ。」

「だけど違った。ゴッドエデンを出ても、は俺の目には特別にうつるんだ。これって紛れも無い愛だろ?」

「愛とかよく平気で言えるよなー。」

「そういう青銅こそ、のこと気にならないのか?俺が惚れたのはの謙虚な所とか、よく気がきく所とか、内面だが…学校の女子などと比べてもは外見も可愛いと思うぞ。どうだ?」


「自分の好きな子を他人に勧めるやつ始めだよ。」





――俺だって、を一目見てなんて可愛い子だろうと思った。
その後マネージャーとしてかいがいしく働く彼女と何回か会話をする内に彼女の性格を知り、ますます気にな子になった。
しかしその感情がもう"好き"だと言っていいものに成長した時、白竜もが好きだということを知ってしまった。

白竜はアンリミテッドシャイニングの俺たちにとって究極の存在。サッカーでは敵わなくとも恋愛に関しては分からないかじゃないか。そう思った。


だけれどそうはいかなかった。気づいたんだ。
白竜がのことを好きだと分かってから、だけを見ている白竜と比べて、自分が白竜にをいつ取られるかどうかとそういうことばかりを気にしていたことに。


もちろんそれで俺がを好きなことに変わりはないけど、気づいた瞬間…既に負けていたんだなと思った。

だから――



「俺だってが大好きさ。だからこうして白竜が閉じこもってしまって困ってるのために、答えを教えにきたんじゃないか。」


だから俺は、が幸せになれるように、を一番幸せにできる男を応援してやるんだ。


のこと諦めたりするな。は絶対白竜の愛に気づいてくれる。俺の応援を無駄にするなよ。」



俺がそう言うと、白竜は一瞬驚いた顔をしてから、
柔らかい笑顔で「ああ。分かった。」 と言った。


「すまなかったな、閉じこもったりして。もう大丈夫だ、にも謝ってくる。」


「おー。」


白竜は立ち上がってドアに向かうが途中で止まってこちらに振り返った。


「確かに他人が愛とか言うと恥ずかしくなるな。」


「俺の応援かえせよ。」


―――――――――――
20120218


長くなったぁぁぁぁあ
青銅メインの話…でもなかったかな?
今後進めるに至って大事な回でしたー。