11
「の出身はどこなんだ?」
お互い柔らかく抱き合った状態で白竜がおもむろに聞いてきた。
「私?普通に東京だよ。」
「ほう。ここにいるってことは親は…すまない、デリケートな問題だったな。」
「ううん、大丈夫。ありがとう白竜。」
私は普段思い出さないようにしている昔の記憶を探る。
「白竜、私はね、フィフスセクターに感謝してる。聖帝が私を拾ってくれて、ゴッドエデンでマネージャーをやって、みんなに、白竜に会えて良かった。」
――私は少しだけ裕福な家に生まれた、ただの女の子だった。
おじいちゃんとおばあちゃん、お父さんとお母さん、5人家族。
何不自由なく幸せに暮らしていた。
11歳のあの日まで。
その日私は友達の家に泊まっていて、楽しかった一時を過ごして家族と1日ぶりに会う不思議な感覚にわくわくしながら帰宅した。
「ただいまー」
当時の私には少し重かった玄関の扉を開ける。
鍵が開いているし靴を見ても誰かしらいることに間違いはないのに返事がない。
みんなでテレビでも見ているのかもしれないと思って一番にいつも集まるリビングの扉を開けた。
真っ先に目に飛び越んできたのはリビングにあるはずのない大量のどす黒い赤。次に荒れた部屋だった。
私は床に倒れていたお母さんに近づいき、蒼白な顔を見てパニックになった。
家族を確認する前にぐしゃぐしゃに泣きながら隣の家のドアをドンドン叩いて人を呼んで、泣きながらただ自分の家を指さした。
その後は隣の人が呼んでくれた警察が沢山来て、警察とか偉い大人の人が泣きじゃくる私に何度も同じような質問をした。そんなことが何ヶ月も続いた気がする。
強盗だった。
私以外の4人は無惨に殺された。
最初は毎日泣いてばかりいたけど、途中から涙も涸れて塞ぎこんだ。
取り調べが落ち着いてきても学校に行く気にはなれず、何も話さない死んだような目をした私を快く引き取る親戚もいないようだった。
私は親戚の家に言って妙に気を使われて事件を引きずるよりは、あまり事件のことを知らない他人が沢山いる施設を選んだ。
近い所だったり、遠い所だったり、親戚の人達がせめてもと気を使って色々な施設を紹介してくれた。
どこでもよかった。
この際一番遠い所にでもしようと考えていた矢先、赤い服でピアスを沢山つけた白髪の男の人が私を訪ねてきた。
警戒して縮こまると、その人はふっと笑って私に手を差し延べて言った。
「究極の光を見てみないか?」